カテゴリー
『モンブラン』 Quoi de neuf? / What's new?

『モンブラン』書評が掲載されました

 

書評紙『図書新聞』の11月3日号(10月27日書店発売)に、『モンブラン』が紹介されました。明治大学教授の越川芳明氏の書評です。越川芳明氏のご専門はアメリカ文学で著書・訳書多数、近著に『あっけらかんの国キューバ』(猿江商會刊)があります。書評は、文学者ならではの深い読み解きが興味深く、読者には各章の「謎解き」の試みをすすめるなど、この『モンブラン』が幾通りもの読みかたのできる小品ながら重層的な読み物であることを示してくださいました。

(以下、越川先生の書評から引用いたします)

《この「記録」はいくつもの短い断章をつなぎあわせたものだが、一つ一つの断章にはいろいろな「謎」が埋め込まれている。(略)なぜそのスウィングするジプシージャズを葬儀の曲に選んだのだろうか。》

《「僕」は「モンブラン」に呪縛され、パラノイア(偏執狂)患者みたいに、「実際、モンブランはどこでも僕についてきた」と記すまでになる。》

《ファビオ・ヴィスコリオージの「小宇宙」を扱った、この小ぶりな作品は、いわば「ポータブル性」を追求した「スーツケース」のような小説の実践例なのだ。》

《「謎」をリンク機能でデジタル的に追いかけていけば、果てしなく大きな世界を旅することができる。一個のスーツケースをもって大きな宇宙を旅するのは、読者なのだ。》

いかがですか。ファビオ・ヴィスコリオージの『モンブラン』、みなさんもぜひお読みください。

 

カテゴリー
『モンブラン』 Quoi de neuf? / What's new?

小説『モンブラン』当サイトでお買い求めいただけます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小説『モンブラン』、このサイトでもお買い求めいただけるようになりました。
どうぞご利用ください。

『モンブラン』

また、BASEにエディション・エフのショップを開設しています。BASEアプリユーザーのかたはこちらもご検討ください。
『モンブラン』商品ページ[BASE]

 

Amazonでも販売中です。
『モンブラン』商品ページ[Amazon]

よろしくお願いいたします。

カテゴリー
『モンブラン』 Quoi de neuf? / What's new?

小説『モンブラン』7月下旬発売です

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『モンブラン』
ファビオ・ヴィスコリオージ 著
大林 薫 訳

定価:本体1,800円+税
四六判 約240ページ
ISBN 978-4-9908091-7-1
C0097

“ポケットに入れて、背中にかついで、心に思って、僕はモンブランを連れていく。”

1999年3月、アルプス最高峰モンブランのふもと、フランスとイタリアをつなぐトンネルで火災事故が発生しました。 著者ファビオ・ヴィスコリオージの両親は、そのモンブラントンネル火災事故で亡くなりました。突然の大惨事から10年以上を経て、ようやく書きあげた当時の衝撃、両親の思い出、家族の記憶……。著者自身の心の再生を綴った物語です。

突然、事故や災害の犠牲者、被害者遺族になった。愛する人々の死を信じられないまま、気持ちの整理がつかないまま、時間だけが過ぎてゆく。怒りや悲しみはぶつける先が定まらないまま、消化不良状態でからだのどこかに残っている。ヴィスコリオージは、なすすべもなくただ目の前のさまざまなことをやり過ごしきた、あの時、この時を綴りました。

装幀家、司修氏による表紙・カバー・帯デザインです。

【著者】
ファビオ・ヴィスコリオージ Fabio Viscogliosi
1965年、フランス・リヨン市郊外ウランに生まれる。リヨン在住。小説家として本書を含む3作品を出版するほか、グラフィック・アーティスト、漫画家、ミュージシャンとしても活躍している。1990年代初めから現在まで漫画本、絵本をコンスタントに出版。リヨン現代美術館(2009年)、モントルイユ公立図書館(2016年)等各地で作品展を行っている。音楽活動では2002年と2007年に自身のソロアルバムをリリースしたほか、他ミュージシャンとのコラボレーションや映画音楽、朗読BGMなど幅広く手がけている。

【訳者】
大林 薫 おおばやし かおり
青山学院大学フランス文学科卒業。フランス語翻訳家。訳書にコリーヌ・ルパージュ著『原発大国の真実 福島、フランス、ヨーロッパ、ポスト原発社会に向けて』(長崎出版/2012年)、共訳書にアドニス著『暴力とイスラーム 政治・女性・詩人』(エディション・エフ/2017年)、モーリス・ルブラン著『怪盗紳士アルセーヌ・ルパン 奇岩城』(角川つばさ文庫/2016年)などがある。

【モンブラントンネル火災事故】
「モンブラントンネル火災事故」は、1999年3月24日の火災発生から26日に鎮火するまでの3日間の惨事を指す呼称である。3月24日午前11時頃、トンネル内を通過中の冷蔵貨物トレーラーが燃料漏れにより爆発、たちまちトンネル内に火災が拡大する。激しい煙と高温のため多くの被害者はトンネル内シェルターにたどり着くことすらできず、結果、死者が39名に及ぶ大惨事となった。トンネルは事故後閉鎖され、修復と設備増強の工事、管理指揮系統の全面見直しと再構築を行い、約3年後に再び開通する。