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『モンブラン』書評が掲載されました


 

書評紙『図書新聞』の11月3日号(10月27日書店発売)に、『モンブラン』が紹介されました。明治大学教授の越川芳明氏の書評です。越川芳明氏のご専門はアメリカ文学で著書・訳書多数、近著に『あっけらかんの国キューバ』(猿江商會刊)があります。書評は、文学者ならではの深い読み解きが興味深く、読者には各章の「謎解き」の試みをすすめるなど、この『モンブラン』が幾通りもの読みかたのできる小品ながら重層的な読み物であることを示してくださいました。

(以下、越川先生の書評から引用いたします)

《この「記録」はいくつもの短い断章をつなぎあわせたものだが、一つ一つの断章にはいろいろな「謎」が埋め込まれている。(略)なぜそのスウィングするジプシージャズを葬儀の曲に選んだのだろうか。》

《「僕」は「モンブラン」に呪縛され、パラノイア(偏執狂)患者みたいに、「実際、モンブランはどこでも僕についてきた」と記すまでになる。》

《ファビオ・ヴィスコリオージの「小宇宙」を扱った、この小ぶりな作品は、いわば「ポータブル性」を追求した「スーツケース」のような小説の実践例なのだ。》

《「謎」をリンク機能でデジタル的に追いかけていけば、果てしなく大きな世界を旅することができる。一個のスーツケースをもって大きな宇宙を旅するのは、読者なのだ。》

いかがですか。ファビオ・ヴィスコリオージの『モンブラン』、みなさんもぜひお読みください。

 

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