『ぬばたま』(歌集)
北夙川不可止 著
1,800円+税
A5判変形 並製 256ページ
ISBN978-4-909819-09-3
《射干玉(ぬばたま)の黒き仔猫を「ぬばたま」と名づけて飼ひぬ七月のすゑ》
歌人でコラムニストの 北夙川不可止(きたしゅくがわ・ふかし)の第一歌集。
25年を超える作歌生活のあいだに詠んだ歌は膨大な数にのぼります。今回第一歌集には2010~2018年に詠んだ歌から 772首を選びました。
「ぬばたま」は、歌人がかつて飼っていた猫の名前です。
「猫と美少年をこよなく愛し、近代建築と美術と音楽を愛で、美しき建物が壊される不条理に怒り(中略)、吟行をする日々が 絵巻物のように繰り広げられる」(寮美千子によるあとがき「永遠の幼子、伯爵」より)
*
著者の活動は幅広く、アートイベントの企画運営、また近代建築・景観の保全活動にも取り組んでおり、本書の収録短歌からは、その多岐にわたる活動が窺い知れます。 猫との暮らしを詠み、少年との愛の戯れを詠み、文化的遺構の美しさを詠んでいます。
血糖値が跳ね上がり入院生活を余儀なくされた日々の歌などは、退屈を逆手にとって愉しもうとする歌人の心情がにじみ、とてもユーモラスです。ぜひ、北夙川不可止の短歌の世界をお楽しみください。
*
【著者】 北夙川不可止(きたしゅくがわ ふかし)
1964年兵庫県西宮市生まれ。同志社大学神学部中退。1994年に獄中で短歌を始め、所属結社は『アララギ』、『新アララギ』、『玲瓏』と移籍。近代建築や歴史的都市景観の保全に取り組み、著書に『東西名品 昭和モダン建築案内・新装版』(書肆侃侃房、2020年秋刊行予定)などがある。オープンリーゲイとしてBL短歌同人誌「共有結晶」創刊に参加。活動分野は多岐にわたり、各所で「伯爵」と呼ばれ親しまれている。
『ぬばたま』は書店でお取り寄せいただけます。またはこちらからお買い求めいただけます。⇩
https://editionf.thebase.in/items/30419073
また、現在東京のピカレスクギャラリーでは、 2020年6月13日(土)〜8月2日(日)のあいだ、 短歌と写真のコラボレーション展「叛亂の豫感(はんらんのよかん)」 が オンラインにて開催されています。北夙川氏の短歌と写真家・北沢美樹氏の美しい写真のコンビネーション。展覧会を記念した作品集「叛亂の豫感」がギャラリーの通販サイトで販売されています。そちらもぜひどうぞ! リンクをクリックすれば別ウインドウで開きます。⇩